2007/12/01
2007年11月5日に掲載した「創る問題って何だろう?私のアトピー体験から見えてくるもの」に対して、私がかつて教えた学生で、約4年前に卒業した虫鹿恭正君より、コメントが寄せられた。現在、虫鹿君は、多彩な顔を持ち活躍している。その一つが、IAT問題解決士としての顔だ。彼は、未来デザイン考程の根幹の一つである「程理学」を学び、問題解決士として活躍している。
ここでいう程理学とは、虫鹿君と議論した際の私の理解の範囲で解説すると、問題解決に向けた考えるプロセスの理論である。「普遍性のある根本指針、究極目的を確認し体現化すること」から始まる「5つの考程(五程)」を基本においている(詳細は、より理解を深めてから解説することとしたい)。
さて、以下は、虫鹿君からのコメント(ママ)である。厳しく評価してもらえたことに感謝する次第である。
・理想と現状のギャップという定義がいまいちあやふやに感じた。
・見える問題と探す問題のメタファーが過去と現在がごちゃごちゃになっている(とくにさがす問題の事例の方で)。
・未来発想で問題を浮き彫りにする際には、探す問題(現在発想で見えてくる問題)の位置が現状把握(探せる範囲での)局面になっていることに気付きました。
・過去発想だと、世の中の時流に乗り遅れる(時代遅れになる)ことに気付きました。鵜飼先生のメタファーにおかれては、問題が見え出してから(過去発想で見えてくるもの)月日が相当過ぎ去っている中で、実は見えない問題が次々と体内外で発生し(肝機能が低下、家族及び人間関係に大きく影響を及ぼすなど)しつつあり、一方で、見えない部分で(というよりも意識的に視野を広げようとしなかった)月日が経つにつれて、鵜飼先生の人脈もより充実し、世の中の科学的にも大きく進化向上しているにもかかわらず、その可能性には、見える問題に執着するあまり、見向きできない状態に陥ってしまったこと。
・鵜飼先生のメタファーを企業及び人材育成に応用することで、イノベーションという定義がより抜本的に浮き彫りすることができると感激致しております。
・また、イノベーション人材育成支援をする人には、五程の観点を身に付けないと、イノベーションを起こす上での企業診断及び人材診断が不可能であることも改めてわかりました。なぜなら、生まれながらに盲目の人に、いくら「景色が見えるってこういうことだよ。色が見えるってこんなことだよ」と克明に説明したところで、実際に体感している人と体感していない人とでは、雲泥の差があるからです。実際に出産した人でないと、本当の出産の苦しみなんてわからないのと一緒です。
・今後の課題としては、いかにイノベーション人材を育成する上で、支援する人にも支援される人にも、五程をいかにして体感してもらえる手はずを整えるかにかかっているのではないかと思います。
・鵜飼先生のメタファーには、体感者ならでは五程をふまえて論じていらっしゃるので、感激致しました。
私は、未来デザイン考程で問題を考える際、問題を3種類に分けたが、創る問題を見つけることができない限り、見える問題、探す問題だけでは、最善な問題解決にはならないことを虫鹿君のコメントより再確認した。最善未来が設定できない限り、結局探す問題も探せないとこが分かった。気づきの機会に深謝。