2014/12/24
2014年12月20日(土)、バーチャルカンパニー・プログラムの本年の締めくくりである、大起業市場を開催しました。早いもので第6回を数えます。この大起業市場は、京都大学で毎年11月24日前後に開催されるトレードフェアで審査員からいただいた評価、他大学からの刺激を踏まえ、1月間で事業計画や商品を改善し、愛知学院大学経営学部が実業界から招聘した指南役に発表、個別指南を受けるというイベントです。気づきを次につなげ、継続的な事業展開を意識させるために創設しました。(注:大起業市場の方法論は、特定非営利活動法人起業支援ネットの考案です)
本年は、16のチームが参加してくれました(愛知学院大学13チーム、中部大学3チーム)。→参加チームの事業概要「2014VCteam_profile.pdf」をダウンロード
指南役は、事前情報による評価と1チーム20分のやり取りを踏まえ、価値を判断し志を金額に換算し投志します。投志券の裏には、応援メッセージを書いておきます。一般参加者については、指南役と参加チームの間で取り交わされた議論の内容を聞いて、志を金額に換算し投志します。やはり応援メッセージを記します。毎年、このメッセージがチームのその後の進化につながります。
表(写真)が投志の結果です。今年は、特に事業を組み立てる過程の試行錯誤に比重を置いた指南をお願いしました。分かりやすい事業プラン、きれいな商品ではなく、本気でどれだけ企業や団体と関わり、困難に直面してもそれを克服して現在に至っているのか。これを指南の中心においてもらいました。もちろん、新規性、独創性は大切です。より実現性に近づいたそれらであって欲しいのです。表からだけでは分かりませんが、確実にアイデアを超えようと努力し、企業と共に商品(製品・サービス)をしっかりと考えているチームに指南役の評価が集まっています。逆に、一般参加の学生(経営学部の1年生で、将来のバーチャルカンパニーの担い手候補)は、見た目の分かりやすさに影響された投志になっているようです。しかし、これも大切な要素。指南役からの高い評価と一般参加者からの評価に違いが大きい現実を直視しなければならないですね。きっと、各チームとも認識したはずです。
本年度のチームの事業計画、商品を見て、すこし未来への挑戦が弱いかな?と感じています。地域ブランド確立に貢献する食品開発なら仕組みまで、機能するビジネスモデルまでしっかり考える。商品開発だけでは、部分最適にとどまってしまう。また、事業計画でも、ビジネスモデルでも、商品(製品・サービス)個々でも、もっともっと挑戦してほしい。これは支援者である私たち教員の支援の範囲と広がり方にも責任はあろう。見つめなおして生きたい。
さて、各種新聞で大学生による商品開発、起業に向けた特集記事が組まれる頻度が高まってきました。特にこの1年の取り上げられ方は、大学への期待の変化を物語っているのでしょう。本学は、愛知県の起業家風土の形成と起業家能力をもった学生群の創出を目指し、1大学を超えて連携する意図で6年間続けてまいりました。まだまだ呼びかけ方が弱く、課題が多いのも事実ですが、大学数を増やし地域ぐるみでの支援システム形成に向け努力してまいります。
その一方、愛知学院大学経営学部としては、私案ではありますが、キャンパス・インキュベーション確立に向け、新しい組織づくりを計画したいと思います。数年来の願いですが、起業家の協力を得られるまでになってきました。大学人ができることは一部です。教えていただきながら、私も成長していきたい。こんな気持ちです。本年を締めくくる投稿になると思います。良いお年を。